医師 転職の成功事例
「哀しい物語」を探せばいくらでもある。
学校を卒業して何年経っても「正社員」になれない事例は無数にある。
また正社員になったとしても、いわゆる「名ばかり正社員」であって、サービス残業に追われ、過労死寸前といった事例も報道される。
日本の会社の数は400万社を超えているが、大企業はそのうちの約1万2000社であって全体の0.3%でしかない。
その400万社のなかから、「企業論」とか「経営論」あるいは「労働論」など、著者あるいは書き手の「好み」とテーマにより、どのようなタイプの会社でも探し出すことはできる。
数字もどのようにでも利用できるのだ。
また「時代の空気」あるいは「思潮」ともいうべきものがあって、そのような議論にはなかなかさからえないものがある。
その中心が「格差」であり「正規雇用と非正規雇用」、そして「かわいそうな若者論」である。
「ワーキングプア」や「雇用不安」あるいは「格差」を論じる人の多くは、その比較の対象として大体が大企業での雇用を念頭に置いており、しかも景気動向や基本数字の変化を考慮にいれない議論が多いのだ。
私にいわせるとほとんどが「世間受け」を考えた発言であり、本のタイトルである。
例えば1985年の大学生の数は約185万人だが、大学進学率は26.5%だった。
それに対して2009年の大学生の数は約284万人となり、進学率は50.2%である(文部科学省「学校基本調査」)。
二人に一人が大学生になる時代と4人に一人が大学生の時代では、「学歴」で比較することがもともと無理である。
「名ばかり大学生」の増大といってしまえば身もふたもないが、大切なことは基本となる数字と時代背景をどのように理解するかなのだ。
私が高校を卒業して就職した当時(1962年)は、大学進学率はなんと10%だった。
そして中卒で就職した人間が40%もいたのである。
ということは、現代の若者は大学を卒業しても、40年前、50年前の高卒、場合によっては中卒の職場に就労することにもなるのだ。
しかしそれでも50%の人間が大学に行ける社会は良い社会だと思う。
私の卒業した高校は今でいう底辺校ともいえる学校だった。
しかし同級生の就職先は、国鉄、市役所、警察官、東京ガス、信用金庫など、基本的には「現場」が多かったが、今の大卒とあまりかわらなかった。
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